【和訳】米エネルギー省による福島原発の放射能評価(4/18)
米国エネルギー省が4月18日にまとめた福島第一原子力発電所の放射能に関する評価報告を和訳する。今回は、放射線量の積算が見積もられた。計画避難区域に指定された地域では年間20mSvを超える被曝があると予想される。これは一般人が受ける平均的な放射線量の10倍以上である。
原文はhttp://blog.energy.gov/content/situation-japan/にあるパワーポイントファイル4月18日版である。原文タイトルは "Radiological Assessment of effects from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant"
原文では放射線量をremで評価している。和訳にあたってはSv(シーベルト)単位に換算した値も併記した。1 rem = 0.01 Sv として換算した。
計画の概要
解釈のためのガイド
2011年3月16日から1年間の被曝線量の見積もり
地図は、福島第一原子力発電所から放射性物質が放出されてから1年間における、ヒトが受ける放射線量を示す。
年間 2 rem (20 mSv) の閾値
放射性物質の放出以前に避難しなかった人々は、放出から1年間そこにとどまり続けると、2 rem (20 mSv) 以上の放射線量を受けると予想される。この領域は赤で示されている。放出前(3月16日以前)に赤で示された領域から避難した人々は、2 rem (20 mSv)以下の線量を受けると予想される。
年間 100 mrem (1 mSv)の閾値
放射性物質の放出以前に避難しなかった人々は、放出から1年間そこにとどまり続けると、100 mrem (1 mSv) 以上の放射線量を受けると予想される。この領域は青で示されている。
仮定
評価
4月17日に集計された測定値の評価はつぎのとおりである:
背景
- NRC(原子力規制委員会)の見積もりでは、平均的なアメリカ人は年間620mRem(6.2mSv)を被曝する。これは 0.071 mRem/時(0.71μSv/時)の被曝割合に相当する。*
- 飛行機で大西洋を横断すると 2.5mRem(25μSv)被曝する。*
- 典型的な胸部X線撮影では1枚あたり10mRem(100μSv)を被曝する。
- EPA(環境保護庁)のガイドラインでは、4日間で計1000mRem(10mSv)を被曝すると、公的に健康のための措置が求められる。
* 出典:NRC: http://nrc.gov/images/about-nrc/radiation/factoid2-lrg.gif