UbuntuにWordpressをインストール
Ubuntu に wordpress をインストールする方法を紹介するページは多い。しかし、野良インストールをしていたりUbuntu流儀に反することが多い。そこで、ここではすべて Ubuntu のお膳立てに従って wordpress のサーバを構築する。環境はこんな感じを想定した:
LAMP をインストール
LAMP とは Linux + Apache + Mysql + PHP のこと。LAMPのようにしばしばサーバで用いられるサービスは tasksel とよばれるパッケージで用意されている。まずは tasksel をインストールする。
$ sudo aptitude install tasksel
tasksel を用いて LAMP をインストールする。
$ sudo tasksel
Wordpress をインストール
$ sudo aptitude install wordpress wordpress-l10n
Wordpressの設定
原則として/usr/share/doc/wordpress/README.Debian に従い、Debian流儀で設定する。
$ cd /usr/share/doc/wordpress/examples $ sudo chmod a+x setup-mysql $ sudo ./setup-mysql -n wordpress www.example.jp
これで mysql が設定され、 wordpress の設定も完了する。すばらしい。
最後のコマンドにおいて -n wordpress は mysql のユーザ名とデータベース名の指定で、ここでは普通に wordpress とした。
Apacheの設定
原則として /usr/share/doc/wordpress/examples/apache.conf に従う。
$ cd /etc/apache2/sites-available
$ cp default default-wordpress
$ vi default-wordpress
ここで VirtualHost の directiveの最後に以下のコードを付け足す。
# # Wordpress # from /usr/share/doc/wordpress/examples/apache.conf # UseCanonicalName Off VirtualDocumentRoot /srv/www/%0 Options All #ServerAdmin admin@example.com # Store uploads in /srv/www/wp-uploads/$0 RewriteEngine On RewriteRule ^/wp-uploads/(.*)$ /srv/www/wp-uploads/%{HTTP_HOST}/$1
設定ファイルを読み込む。
$ sudo a2dissite 000-default $ sudo a2ensite default-wordpress $ sudo service apache2 reload
Wordpress はじめ
できたので http://www.example.jp にアクセスして wordpress のユーザとパスワードを設定する。
Wordpressの設定ファイルは /etc/wordpress/config-www.example.jp.php にあるので、適宜調整する。例えば、以下のコードを追加する。
define('WPLANG', 'ja'); # 言語を日本語に define('FS_METHOD', 'direct'); # WordpressのアップデートをFTPではなく調節に
ただし、アップデート対象の書き込み許可がないので、パーミッションを修正する。
sudo chmod g+rx /srv/www/www.example.jp/wp-content
あとはお好きなように。
ひと月で激変したキャリアとメーカーの力関係
iPhone4Sの販促合戦の効果でしょうか。iPhoneの躍進ぶりがわかります。
9月と10月の月別販売台数の図です。ネットで拾った図で、出典の詳細はわかりません。
この図からわかること:
- iPhoneの販売台数シェアが 15.1%から59.6%に急増した。10月はスマホ販売の過半数がiPhoneであった。
- NTTdocomoの一人負け。MNPでdocomoから7万人が転出したのと整合的。それでもそこそこ売れている。
- au では、iPhoneがスマホ販売の7割程度を占めるようになった。auは「未来は、選べる」というフレーズで、スマホに選択肢があるように宣伝しているが、事実上iPhoneが主力機種になった。
- SoftBankのMNPが転入出ほぼ±0なのにもかかわらず、SoftBankの販売シェアが増加しているのは、(1) 機種変、(2) 2台目としてiPhoneを購入、(3) iPad を購入のいずれかであろう。1番目は徳政令、3番目は「アレコレソレキャンペーン」の効果か。
- SoftBankでは、iPhoneの占める割合が9割以上となった。逆にAppleへの依存度が高すぎて心配になる。いままでAppleの手のひら返しに泣かされた企業が多数あった。SoftBankもそうならないことを願う。
追記
ブクマでコメントをもらいましたが、図は月別販売台数ですね。上記も訂正しました。
au版iPhoneは買いか?
MNPを利用してソフトバンクからauのiPhoneに乗り換えました。孫さんごめんなさい(笑)。数週間使ってみての感想を書いてみますね。
auの電波は良好、さらば圏外
電波状況には満足です。地下鉄以外は圏外がありません。
ソフトバンク時代には、職場で表示上は圏内でしたが、(1) メールを受信できない、(2) 通話が途中で切れるもしくは警告音が鳴る、ということがしばしばあり、電波状況には不満でした。
そんな職場でしたが、auのiPhoneではメールの受信漏れはなく、通話も良好です。気になる通信速度ですが、時間帯によらず下りで2Mbps程度出ています。
もっとも規格上はソフトバンクのほうが通信速度が速いので、好条件の場所ではソフトバンクの方が速い通信が可能でしょう。
携帯電話はインフラですから、安定性と信頼性を優先してキャリアを選択しました。
auの安い通話料金
ソフトバンクのホワイトプランは一見安そうなんだけど、実際の社会活動においてiPhoneを電話として使う場合、通話料が結構高くなった。実際、ソフトバンクの携帯に電話する機会はそんなに多くない。学生だったら、安くすむのかもしれないけど。
auにしてから無料通話分がついたり、繰り越せるので、通話料金はソフトバンク時代よりも安くなると思われる。事実、10月は無料通話分で収まった。
その他の機能は要改善
見切り発車でauから発売されただけあって、キャリアの対応は皆無です。これからiPhoneへの対応をしてゆくのだと思います。公式に発表された対応状況は以下の通り*1
未対応機能 | 対応状況 | 備考 |
---|---|---|
絵文字 | 2012年1月対応予定 | 日本では必須 |
プッシュメール | 未定 | 回避策はあるけど対応するべきだろう |
MMS*2 | 2012年3月対応予定 |
どうでもいい |
国際SMS | 未定 | どうでもいいと思っていたが、Viberというアプリの認証に必要だった。回避策はあった。 |
iMessage | 2011年3月対応予定 | どうでもいい |
FaceTime | 2012年3月対応予定 | どうでもいい |
PPTP | 予定 | 一部開通との噂あり。IPsecのVPNを使うのでどうでもいい |
ビジュアルボイスメール | 2012年3月対応予定 |
どうでもいい |
3Gデータ通信と通話の同時使用 | 不可 | どうでもいい。iPhoneを3年間使ってきて、通信しながら通話したことは一度もなかった |
とまぁ、現状では未対応の機能がたくさんあります。iPhone3Gの発売当時もメールまわりは未対応が多かったですが、当時とは状況が異なります。KDDIはメール環境の整備が急務でしょう。
RubyでHPCは可能か? HPCで駆逐されるベキもの
科研費調書の締め切りが迫る中、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
予言通りに、奥多摩にホットスポットがあることがわかり、シミュレーションやHPCの凄さが鮮明になりました。そのあたりのエントリーも書きたいのですが、科研費の締め切りでドタバタしております。で、書類書きに疲れたのではてなブックマークを巡回していたところ、面白い記事がありました。
Ruby で HPC?
まつもとさんが、rubyで夢を語る記事です。この中で彼はつぎのようなことを言っています:
天文学とかバイオの世界で多用されるHPCで手軽にプログラムを組めるルビーが使えれば研究の速度向上に貢献できると思うので、ぜひ取り組みたい。
これを読んで思わずコーヒーを吹きました。「ねーよw」と突っ込みを入れずにはおれません。
しかし、よくよく考えてみると、HPCをするときには、実行ファイルをshellスクリプトでラッピングするのが普通です。こんなふうに:
Shell script
そういう意味では、上記のshell script の部分をruby, perl, pythonのような言語で置換することも可能です。実際、結構手の込んだshell script を書くこともあるので、移植性が許されればrubyを使うのもアリでしょう。
しかし、HPCにおいてrubyがFortran, C, C++ を代替することはないでしょう*1。
発想を転換して、rubyでFortranやCのコードを生成するというフレームワークは良い方法です。このようなプログラムがプログラムを作る(吐き出す)というアプローチはしばしば用いられますし、成功することが多いです。ボクもやったことがあります。
HPCで駆逐されるべきもの
HPCのプログラムをrubyでお手軽に書けたらどんなに素晴らしいでしょうね〜?そんな夢を見るよりも、HPCを健全に進めるために、今のHPCのおかしいところを考えてみました:
- MPIはいらない
なんでユーザレベルでこんな低級なことを書かなけりゃならんのじゃ。
- 並列計算機はいらない
現在のスパコンの潮流は並列計算機です。たくさんのCPUを同時に動かして、たくさんの計算をしようという戦略です。したがって、たくさんのものを同時に計算するのには向いていますが、ひとつのものを丹念に計算するのには不向きです。不幸なことに、多くの研究者にとって興味があるのは後者の計算なのです。
いや、たんに現在のスパコンのアーキテクチャに疲れたのです。ちょっと愚痴ってみました。
さて、科研費調書の仕上げにかかるか。
ロイヤルミルクティーと生ハムメロンで潤いながら。
埼玉県と千葉県のセシウム沈着量
埼玉県と千葉県の航空機モニタリング結果が文科省より発表された。
文部科学省による埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果について(平成23年9月29日)(PDF:1829KB)
今後、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、山梨県・・・とぞくぞくと結果が公表される。そのたびに一喜一憂することになるのだろうか。
さて、埼玉県と千葉県を加えたセシウム134/137の沈着量の分布は下図の通りである。
千葉県
柏で予想通り沈着量が多い結果となった。東大の柏キャンパスが線量を計測して公開したので、線量が高いことは地域の人々には周知のことであっただろう。
霞ヶ浦から柏へ伸びる汚染帯は確実に東京都内に到達する。おそらく、東京都東部に達するだろう。江東区において高い線量が報告されているが、その事実と整合的である。東京都23区の東半分は30kBq/m2以上に汚染されているかもしれない。
セシウムが群馬県まで届いていた件は予測されていた
朝日新聞の記事が話題になっている。福島第一原発からのセシウムが群馬県にまで飛散していたという。
文部科学省は27日、航空機を使って測定した放射性セシウムの沈着量について、群馬県の汚染マップを公表した。東京電力福島第一原発事故によって飛散した汚染の帯が、250キロを超えて広がっていることが分かった。(後略)
http://www.asahi.com/national/update/0927/TKY201109270600.html
文部科学省の発表
新聞記事のもとになった文科省の発表はこれ:
文部科学省及び群馬県による航空機モニタリングの測定結果について(平成23年9月27日)(PDF:1500KB)
記事に掲載されたもとの図はこれ(セシウム134と137の沈着量の合計):
震災直後から米国DOEがやっていたのと同様の航空機モニタリングによる調査結果である。今回は、群馬県の調査結果が追加され、群馬県にホットスポットが存在することが確認された。上図はセシウム134と137の合計だが、セシウム134とセシウム137の個別の分布も同様の分布であった。
はやく首都圏も発表してほしい。後回しにするのは大人の事情でしょうか?*1
国立環境研究所のシミュレーション
上のセシウム134/137の分布は、環境研のシミュレーション結果とそっくり。環境研のシミュレーションは以前のエントリーで紹介したが、今回あらためて紹介する。下図はシミュレーションで再現されたセシウム137の積算沈着量である。
群馬県にまでセシウム137が届いてる。群馬県のホットスポットの分布が見事にシミュレーションで再現されていた。環境研の本気を見た気がする。ちなみに、原研のWSPEEDIによるシミュレーションでも北関東のホットスポットが再現されているが、航空機モニタリングの結果とはあまり一致していない。環境研のシミュレーションに軍配があがる。大気シミュレーションでは、環境研に一日の長がある。
環境研のシミュレーションは沈着量の絶対値もうまく再現している。航空機モニタリングとシミュレーションでの単位換算は、である。したがって、航空機モニタリングでくすんだ緑色■の値(30 kBq/m2)が、シミュレーションの緑色■の値(30 ×103 MBq/km2)に対応する*2。
詳細な資料:
Cs137 環境モニタリング (文科省・原研・環境研)
食品中の放射性物質のモニタリング計画策定のための環境モニタリングデータ等の提供について(東京電力福島原子力発電所事故関連) |報道発表資料|厚生労働省
(1) 航空機モニタリングの測定結果(福島県(会津地域を除く。)、宮城県、栃木県及び茨城県については既に公表、他の地域については随時調査を実施)(別紙1)。【文部科学省】
(2) 最新の放射性物質の放出率の推定値(暫定放出量)を用いたWSPEEDIによるシミュレーションの試算結果(別紙2)。【(独)日本原子力研究開発機構】
(3) 最新の放射性物質の放出率の推定値(暫定放出量)を用いた(独)国立環境研究所地域環境研究センターのシミュレーションの試算結果(別紙3)。【(独)国立環境研究所】
文科省・原研・環境研の御三家によるセシウム137降下量と沈着の見積もり。
文科省のデータは既出。
環境研のシミュレーションを見ると、静岡県にもセシウムの沈着が局所的に高いところがある。静岡茶から基準値を超えたセシウムが検出されたのもうなずける。
あとで何かコメントするかもしれないけど、とりあえず
おせーよ
なにもかもが遅い。
追記
文科省・原研・環境研はそれぞれ独立にプレスリリースしている。
厚生労働省のプレスリリースよりも詳細なデータを見ることができる。
- 文部科学省
- http://radioactivity.mext.go.jp/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_MEXT_DOE_airborne_monitoring/
- いつもの航空モニタリングの図。米国DOEさまありがとうございます。
- 日本原子力研究開発機構
- 福島第一原子力発電所事故に伴う Cs137 の大気降下状況の試算
- WSPEEDI による時系列の図。
- 国立環境研究所
- 災害環境研究への取り組みURL変更のお知らせ|トップページ|国立環境研究所
- ヨウ素とセシウムの沈着シミュレーションの動画がある。必見。以下の動画はその一部。
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- 地表近くのヨウ素濃度
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- 地表近くのセシウム濃度