物理学会誌における温暖化論戦
今月号の日本物理学会誌において、地球温暖化懐疑論者の槌田敦氏の記事が読めます。
ことの経緯は次の通り
- 2007年2月号に、槌田敦氏が「CO2を削減すれば温暖化は防げるか」と題する記事が掲載された。
- 槌田敦氏の記事に対するいくつかの反論が編集部に寄せられた。
- いくつかの反論を「会員の声」と「談話室」の欄に掲載した。
- 槌田敦氏が反論を編集部に寄稿したが、泥仕合になることを避けて、編集部が掲載をペンディングした。
- 今回、両者の合意のもとに互いの原稿を「話題」として同時に掲載した。
話 題
日本物理学会誌 第65巻第4号
読者の皆様へ 260
地球温暖化の科学-遅れて来た懐疑論の虚妄と罪 阿部修治 260
原因は気温高,CO2濃度増は結果 槌田 敦 266
両者の記事を読みました。
うーむ。槌田さん、意味がわかりません。いや、書いてあることはわかるのですが、これは科学者としては恥ずかしいと思います。
槌田さん、冒頭から飛ばしてます。こんな論旨です。
- 大気中のCO2は毎年30%は海洋表層と陸地に吸収される。(おけー)
- 人為的排出によるCO2は翌年には70%に減少するだろう。 (ん?)
- さらに2年後には70%×70% = 49% まで減少するだろう。 (はぁ?)
- こんなことを毎年繰り返しているので、結局大気に溜まる人為的CO2は公比が0.7の等比級数の和になり、年分の排出量になる! (キリッ)
- 結局、人為的CO2の増加量はわずか 8.5 ppm だ。(わわわわあああ)
- だから、人為的CO2温暖化説は間違い! (ひゃああああああ)
ボクも訴えられるのかな?
追記
阿部氏の記事に印象深いことが書いてあったので、引用します。
だが、その考え(槌田氏の考え)を科学的に証明しようと思うなら、実際に研究を行い、証拠となるデータを集め、科学の場で議論するべきである。書斎で空理空論をこねまわすだけで温暖化の科学は進展しない。