秋の全国行脚終了

9月は学会、研究会、雑用とずっと出歩いていた。現時点で9月の職場滞在時間はわずか数日だ。今回出席した研究会が「9月死のロード」最後の研究会である。いやー、疲れた疲れた。

今回の研究会は、ちょっと変わった切り口がテーマで、なかなか楽しい研究会だ。共通の切り口を持った研究者が集まって様々な議論をする。これぞ学際だと実感した。招待していただいた研究会の世話人には、感謝!感謝!

この研究会には気候変動とその周辺の人々も参加している。反IPCC派の人が多い。こういう研究会は人脈作りにはうってつけだ。

IPCC派・反IPCC派を問わず、知り合いを作るのは楽しい。とくに、論文が出版される以前の場の雰囲気を知ることは大変重要だ。

今回の意中の人は反IPCC派の実働部隊の隊長のような人。以前、国際会議で一度顔を見た程度だった。今回、講演が終わった後に早速話しかけた。いろいろ突っ込んで聞いてみると、ここ数年の太陽活動極小期のシグナルは、マウンダー極小期のそれとは少し違うようだ。仮に宇宙線が気候をコントロールしているとしても、今回の極小期ではマウンダー極小期のような寒冷期が起きるとは思えない。ちょっと残念だー(笑)。白黒はっきりするのはさらに先になりそう。

また、次回の第5次IPCC評価報告書で、宇宙線で1節が割かれていることについて、どのような感触か聞いてみた。残念ながらIPCCの積極的な言及はなさそうだ。周知の事実だと思うが、IPCCの評価報告書は「わかっていること」に重きを置く。とくに第1作業部会ではその傾向が顕著だ。現状の宇宙線と気候の関係の理解では、IPCC評価報告書でポジティブなことはなさそうだ。僕の感触では、宇宙線だけでなくその周辺の物理学の進展が急務であると感じた。

さて、明日は反IPCCの切り込み隊長(この人は既に知り合い)の講演がある。楽しみだなー。

肝心の僕の講演?もちろん盛況だったよ。

そんじゃーねー。

<追記>
死のロードが終わったと思ってたら、本日もひとつあったのを忘れてた。あー。
</追記>