ペタコン死ねど科学は…

事業仕分け第3部会において、次世代スーパーコンピューティング技術の推進(通称ペタコン)が「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」と評価されました。つまり事実上の廃止になりました。
出典:行政刷新会議 「事業仕分け」 評決結果【第3WG】


野尻ボードにおいて松田卓也さんは次のようにコメントしています:

私はこの出来事は民主党の反科学的政策の象徴とも思えるのですが。

ボクも同意します。まさに象徴的でした。ペタコン計画はNECと日立が撤退するなど、かならずしも順風満帆ではありませんでした。こういう苦しいときだからこそ、国の産業育成が必要だと思います。スパコンとはそういう分野なのです。かつて米国のスパコンが日本の地球シミュレータに敗北したときには、米国は国を挙げてスパコン業界を支援し、見事にトップに返り咲きました。ピンチのときに業界を潰す国と支援する国。対照的です。

スパコンの開発費用は確かに高い。完成品を買って来たほうが安いです。このあたりは宇宙開発に似ています。宇宙開発においても、自国でロケットを開発するよりもどこかの国に打ち上げてもらったほうが安上がりなのです。しかし、多くの国は宇宙開発を行っています。また、食糧自給にも似ています。国内の高い食糧を買うよりも、輸入品に頼ったほうが安いのです。このように「安いから〜」の論理で行動していると国力が落ちるだけです。

若手研究も減額

また同日行われた若手研究の仕分け結果にも驚きました。若手研究者育成は「予算要求の縮減」という結論になりました。

仕分け作業の議論を聞いていると、ポスドク問題と混同して議論されていました。「ポスドクは過剰で問題である。だから、若手研究者育成の予算は削減ね」という具合でした。

科学研究費補助金の若手枠にポスドクが応募できるようになったのは最近のことです。多くはパーマネントの職にある生きの良い若手を支援するための資金です。日本の研究機関において、実際に研究活動を牽引しているのは、若手です。日本の大学はシニアクラスになると、雑用やらマネージメントやらで、研究どころではなくなることが多いのではないでしょうか。民主党には日本の科学研究を育成する意思がないと見ました。

婚活女性みたい

民主党は婚活女性のようです。婚活をする女性達は、男に「完成品」を求めがちです。彼女達は年収1000万円以上の相手を探しています。

実際のところ、年収1000万円以上の男は、年収600万円くらいの若い時期に結婚しているのです。出世しそうな若い男を見つけるのです。既に条件の良い「完成品」は、極端な品薄だったり、もしかしたらパチものかもしれないのです。

婚活女性には出世しそうな男を見つけて育てていく、審美眼が必要なのです。そのためには、勉強も必要でしょう。素人ではダメなのです。

民主党の近視眼的なやり方はまさに、婚活女性を見ているようです。

文化大革命

仙谷由人行政刷新担当相は事業仕分け自画自賛して、

これまで一切見えなかった予算編成プロセスのかなりの部分が見えることで、 政治の文化大革命が始まった

と言ったらしいですね。よく分かっていらっしゃる。

民主党は、宮崎アニメの世界のように、みなが農家をして牧歌的に暮らす国家を目指しているのでしょうか。
左翼さんの理想郷ですね:-)

それでもソフトウェアは死なず

ハードウェアはダメになったけど、ソフトウェア側は頑張っていこうと思います。

しばらくは米国のハードウェアの上でしか走らせることができないけど、いつか国産トップのハードウェアで走らせることを夢に見つつ。



まぁ、しばらく様子見てダメなら、ちょっくら海外へ行ってみようかな。