なぜ日本は米国DOEのような調査ができないの?

いまさらの感があるが、福島第一原子力発電所放射能対策についてちょっと。

すでに多くの方はご存知だろうが、米国のエネルギー省は、福島第一原子力発電所からの放射能の影響を系統的に調べ、その評価を公開している。公開されている評価は順次アップデートされている。

http://blog.energy.gov/content/situation-japan/

放射線の測定器をヘリコプターに装備して、福島第一原子力発電所の周囲をスキャンするように飛行している。

測定手法・集計・評価・公開のどれをとっても素晴らしい。というか、日本がダメ過ぎだ。

一方国内では、4月11日に福島第一原子力発電所から北西部の地域(飯舘村などを含む)が計画的避難区域に指定された(下図*1)。いまさらの感はぬぐえない。政府が同心円状の避難地域の指定に固執していたとか言われている。米国のような調査を当初から行っていたなら、もっと早い段階で非難区域を適正に決めることができたであろう。


マスコミはSPEEDIの図(下図*2)をしばしば引き合いに出し、同心円状の非難区域の指定を批判する。しかし、各所で指摘されているようにSPEEDIは所詮「予測」である。それも何週間も前に行われた予測である。非難地域を決定するためには、現在の状況を理解する必要がある。


日本政府は線量の分布(地図)を可視化したことがあるだろうか?放射線量のトレンドを示すグラフを公開したことがあるだろうか?彼らはいつも数値が大量に記載された表を提示する。ボクは彼らのことを罫線族と呼んでいる。

罫線族は、沢山ならんだ数字によって、仕事をしたつもりになっている。

罫線族は、沢山ならんだ数字によって真実を隠す。
「木の葉を隠すなら森の中」である。

ここここここここの方々をはじめとする有志の努力には敬服する。